Mr. Kamikawa 01

本焼きの歴史、本焼きの製造法

本焼の庖丁は一枚の無垢材の鋼に焼入れすることにより、鋼本来の高い硬度を実現することができます。つまり切れの持続を長くすることができるということです。

また、霞(地金と鋼の鍛接する技法)の包丁と違い、地金と鋼の境目が食材に触れないため、切った断面がより美しく仕上がると言われています。

料理人曰く、生魚の断面の艶や、煮物の照り、時間経過後の様子まで変わってくるといいます。

構造として本焼の包丁は柔軟性のある地金部分がないため、焼入れ前に部分的に泥状のものを塗ることにより柔軟性を持たせます。

一枚の無垢材の鋼への焼き入れ、焼き戻しを含め、これら一連の工法が日本刀の製造方法に近いと言われる所以です。

製造には、すべての工程において高度な熟練性が必要とされるだけでなく、仕上がりまでに大変な慎重さと手間を要します。

上記の様な工法のため、大きな衝撃の加わる可能性がある、出刃包丁などには向きません。

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